コラム
外壁材7種類の選び方を比較表つきで分かりやすく解説
こんにちは。
地元豊橋、豊川で増改築リフォーム専門店を営んでいるありがとうの家です。
外壁材にはさまざまな種類がありますが、今回はその中の7種類について、それぞれの特徴を詳しく解説します。また、それらの特徴を分かりやすく比較表にまとめているほか、選び方のポイントについてもご紹介します。
1.外壁材の種類
7種類の外壁材のメリットやデメリット、特徴などについて、それぞれ詳しく解説します。
1-1.窯業系サイディング
まずサイディングとは、板状になっている外壁材のことで、これらは工場で生産されるため品質が安定しています。
この中の窯業系サイディングとは、セメント8割、繊維質と増量材2割でできており、最近では住宅の7割~8割で使用されています。
カラーやデザインの種類が豊富で、さらに価格が安いのも人気の理由で、そのほか耐火性や遮音性にも優れています。
ただし防水機能がないため、表面を塗装して防水機能を備えており、この塗装が劣化すると水が侵入して変形やひび割れの原因となります。
1-2.金属系サイディング
板状になっている金属系サイディングは、金属板を加工してつくられ、裏には断熱材が入っています。
使われる金属板は、溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム合金、ガルバリウム鋼板、ステンレス鋼板などです。
丈夫で腐食しにくく、断熱性や耐震性にも優れている上に軽量で、価格も安いです。
その反面、傷がついたり錆が発生したりしやすく、酸性雨や塩害に弱いというデメリットがあります。
1-3.樹脂系サイディング
樹脂系サイディングとは、塩化ビニール樹脂でできており、板状になっていて重さは窯業系サイディングの約10分の1です。
塩化ビニール樹脂は、約6割が天然塩、残りの約4割が石油でできているプラスチックで、寒さや酸性雨に強く、腐食やひび割れが起きにくい素材です。
しかし耐火性能がなく、カラーバリエーションも少ないため、国内ではほとんど使用されていません。
一方で、北米では約5割もの建物に使用されており、人気の高い外壁材となっています。
1-4.木質系サイディング
木質系サイディングとは、無垢の木材でできた板状のもので、断熱性に優れているほか木の温もりを感じられます。
木材は火に弱いため、準防火地域では使用できない場合もありますが、不燃処理を施すことで、防火性や耐火性などを備えることも可能です。
とはいえ木材は水にも弱いため、腐食や変色を防ぐためにも、定期的に塗装を塗り替える必要があり、他の外壁材よりもメンテナンス費用がかかります。
1-5.モルタル
モルタルとは、砂、水、セメントを混ぜ合わせたものを、ラスという網状の金物の上に塗った外壁です。
このため、つなぎ目がなく外壁の形状を問わないのが特徴で、防火性にも優れているため、かつては日本の木造住宅の多くに使用されていました。
また、カラーや表面の仕上げによってデザインを変えることもでき、タイルやレンガを貼るときの下地材としても使用されます。
一方で、職人の腕によって仕上がりや耐久性に大きな差が出たり、ひび割れや汚れで劣化したりしやすいというデメリットがあります。
1-6.タイル
タイルは、主に粘土でつくられており、非常に硬いため傷などがつきにくく、長年の紫外線による変色もほとんどありません。
また汚れにくい上、ほとんど吸水しないため雨の影響も受けにくく、耐久性にも優れています。
ただし、正しく施工されていないと、浮きや剥がれの原因となるため、知識と経験のある業者選びが大切です。
1-7.ALC
ALCとは、ケイ酸質、アルミニウム粉末、石灰質でできた、軽量気泡コンクリートパネルのことです。
通常のコンクリートの約4分の1の重さで、水に浮くほど軽いのが特徴です。
耐火性や耐熱性に優れているほか強度も高いですが、防水機能がないため他の外壁材や塗装によってこれを補う必要があります。
2.外壁材の比較表
ここまで紹介した外壁材について、それぞれの特徴を分かりやすく表にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
外壁材 | 価格
(1㎡あたり) |
防水性 | 耐火・防火性 | 耐久性 | デザイン | メンテナンス | 特徴 |
窯業系サイディング | 3,500円~5,000円 | ✕ | ◯ | △ | ◎ | 7年~8年 | シェアNo.1 |
金属系サイディング | 4,000円~6,000円 | ◯ | △ | ◯ | △ | 10年~15年 | 断熱性No.1 |
樹脂系サイディング | 7,000円~9,000円 | ◯ | ✕ | ◯ | ✕ | 10年~20年 | 耐震性No.1 |
木質系サイディング | 6,000円~8,000円 | ✕ | △ | △ | △ | 7年~10年 | 温もりNo.1 |
モルタル | 1,500円~4,000円 | △ | ◯ | △ | ◎ | 5年~10年 | デザイン性No.1 |
タイル | 7,000円~9,000円 | △ | △ | ◎ | △ | 10年~15年 | 耐久性No.1 |
ALC | 7,000円~15,000円 | ✕ | ◯ | ◯ | ◯ | 10年~15年 | 耐熱性No.1 |
3.外壁材の選び方
外壁材の選び方について、おさえておきたいポイントを3つご紹介します。
3-1.デザイン
外壁は、建物の見た目に大きな影響を与えるため、デザイン面を考えて選ぶことも大切です。
また、種類によってはそれほどデザインが選べないこともあるため、注意しましょう。
なお、金属はスタイリッシュな印象、タイルは高級感など、素材によっても与えるイメージは異なります。
3-2.価格
外壁材は、種類によって価格が大きく異なるため、予算に合ったものを選ぶことが大切です。
また、施工する業者によって耐久性が異なることもあるため、工事費用が安ければ良いとも限りません。
さらに素材が安価でも性能が劣っていたり、メンテナンスに費用が多くかかったりすることもあります。
3-3.メンテナンス
どの外壁材も、長持ちさせるためにはメンテナンスが大切で、メンテナンス不要なものはありません。
また、メンテナンスの頻度が少なくて済む場合には、その分価格が高くなります。
このため、外壁材の価格だけでなく、その後のメンテナンス費用も考慮した上で選ぶようにしましょう。
4.まとめ
外壁材には多くの種類があり、それぞれに優れている点や劣っている点があります。
また、素材によって建物の印象も変わるため、デザインだけでなくそのような点にも考慮して選ぶと良いでしょう。
さらに価格だけでなく、その後のメンテナンス費用も考慮した上で、予算に合うものを選ぶことが大切です。
(株)ありがとうの家 代表 塩川昌志(二級建築士)