コラム

出窓からの雨漏り対策は?最悪の場合取る選択肢も

こんにちは。

地元豊橋、豊川で増改築リフォーム専門店を営んでいるありがとうの家です。

 

大雨や台風などがきっかけとなって、出窓から雨漏りをしてしまった場合には、なるべく早く対策することが必要です。

この対策とは、応急処置をするだけでなく、原因に合わせた修理までを行うことをいいます。

応急処置で雨漏りがおさまっていても、建物の内部で傷みが進み。思わぬ被害をもたらすことが

あります。

 

 

 

1.出窓から雨漏りした場合の応急処置

出窓から雨漏りした場合には、室内の被害を最小限にするためにも、迅速な応急処置が必要です。

 1-1.防水テープですき間をふさぐ

どこから雨水が入ってきているのか分かる場合には、その個所を防水テープでふさぎます。

防水テープを貼る前に、貼り付ける箇所の水分や汚れをしっかり拭き取り、空気が入ったりシワができたりしないように貼りつけます。

防水テープは、外壁用や窓用といった用途別に販売されており、500円〜1,000円程度の手頃な価格で購入できます。

 1-2.コーキング剤ですき間をふさぐ

出窓と外壁をつなぐコーキング剤の劣化によって、そのひび割れから雨水が侵入している場合には、コーキング剤を使ってすき間をふさぎます。

コーキングする箇所の水分や汚れをしっかり拭き取ったら、コーキングする箇所の周りにマスキングテープを貼ります。

コーキングする前に、プライマーという下地をハケで塗り、その上からコーキング剤を塗ってすき間を埋めたら、仕上げにヘラで整えます。

マスキングテープをはがし、丸1日以上乾かしたら完成で、このコーキング剤は1,000円程度から購入できます。

 1-3.ブルーシートをかぶせる

雨漏りの原因となっている箇所が分からない場合には、出窓全体にブルーシートをかぶせると良いでしょう。

かぶせたブルーシートは、テープや土嚢袋などを使って固定しますが、ロープは屋根などを傷つける恐れがあるので使用しない方が無難です。

ブルーシートは、3m×3mあたり1,500円程度で購入できますが、商品によって厚みや強度が異なります。

 1-4.室内に吸水シートをひく

雨漏りの原因が分からないだけでなく、出窓が2階にあって補修したりブルーシートをかぶせたりするのが難しい場合には、室内に吸水シートを置いて対応します。

水が染み出ている箇所に吸水シートをあてたり、水が落ちてくる箇所にバケツを置いて、その中に吸水シートを入れたりします。

吸水シートの吸水量は、商品によってさまざまですが、7Lもの水分を吸収できるシートの場合、1枚あたり500円程度で購入できます。

2.出窓から雨漏りする原因

 

出窓から雨漏りする原因は複雑で、出窓の劣化だけでなく、意外なところが原因となっている場合があります。

 2-1.出窓と建物をつなぐコーキング剤の劣化

出窓と建物のすき間を埋めてくれるコーキング剤は、年月とともに劣化し、ひび割れたりはがれたりします。

そうなると、そのすき間から雨水が侵入してしまい、雨漏りの原因となります。

このコーキング剤の劣化は、雨風にさらされたり、紫外線をあびたりすることによって起こります。

 2-2.結露による壁の腐食

出窓は、建物よりも外にとび出しているため、外気の影響を受けやすく、室内との温度差が大きくなり結露しやすい場所です。

ひどい結露によって、出窓周辺の壁が濡れてしまい、それをそのまま放置すると、壁が腐食し雨漏りへとつながります。

 2-3.建築時の防水処理不足

建築時に出窓をつくる場合には、雨水の浸水を防ぐために、防水シートなどを貼って防水処理を施します。

しかし、この処理がきちんと施されていなかった場合、建築後、ある程度時間が経ってから雨漏りを起こすことがあります。

 2-4.屋根や外壁などのひび割れ

出窓からの雨漏りは、出窓自体が原因ではなく、屋根や外壁の劣化が原因となっていることもあります。

屋根や外壁は、長年雨風にさらされることによって、目に見えない細かなひび割れを起こします。

このような細かなひび割れでも、そこから雨水が侵入して建物の内部を通り、出窓からの雨漏りを引き起こします。

ときには、出窓から離れた箇所のひび割れが原因となることもあります。

 2-5.出窓上の換気口などから侵入した雨水

出窓の上に換気口や換気扇が設置されている場合には、そこから雨水が侵入し、それによって出窓で雨漏りが発生する場合があります。

例えば、換気口などを雨から守るためのカバーや、カバーと外壁とをつなぐコーキング剤が劣化することで雨水が侵入します。

3.早めのメンテナンスと修理が大切

雨漏りは、その原因が複雑なことも多いため、自分で応急処置をした後は、早めに修理することをおすすめします。

雨漏りを修理せずに放っておくと、さまざまなリスクが発生し、修理も大規模になってしまうことがあります。

また、雨漏りを事前に予防するためにも、早めのメンテナンスがおすすめです。

一般的に、雨漏りを防ぐためのメンテナンスの目安は10年、雨漏りの原因となるコーキング剤の寿命は、5年〜10年といわれています。

4.出窓を取るという選択肢もある

出窓は雨漏りを起こしやすいため、今後のメンテナンスを考えると、出窓を取ってしまうという選択肢もあるでしょう。

出窓を取る場合には、取ったあとを通常の窓にする方法と、壁にする方法があります。

通常の窓にする場合の費用は15万円~20万円ほどで、出窓の場所が2階以上の場合には、足場を組むために、さらに追加で10万円ほどかかります。

一方、壁にする場合の費用は15万円〜30万円ほどですが、この場合も2階以上の場合は、追加で足場の費用がかかります。

また、壁にする場合は外壁を塗装したり壁紙を貼ったりするため、これらのメンテナンス時期に併せて行うことで、建物全体の色合いを統一できます。

5.出窓の雨漏りを修理しないと起こるリスク

出窓の雨漏りを修理せずに放っておくと、建物が傷むだけでなく、住んでいる人にも悪影響を及ぼします。

 5-1.建物の内部が傷む

外壁などのひび割れから雨水が浸入して雨漏りしている場合には、雨水が建物の内部を通っています。

このため、修理せずに放っておいたり、コーキング剤で上からふさいだりしてしまうと、侵入した雨水によって建物が傷んでしまいます。

これによって柱や壁が傷んで弱くなると、建物自体の強度も弱くなり、耐震性にも影響が出てきます。

 5-2.シロアリが発生しやすくなる

建物の内部で繁殖するシロアリは、湿度60%以上の湿気の多い場所を好みます。

このシロアリは、木材を食い尽くしてしまうため、住みつかれてしまうと建物の強度が弱くなったり倒壊したりする危険性があります。

 5-3.カビによるアレルギーの発症

雨漏りによる湿気は、カビを発生させる原因にもなりますが、建物内部にカビが発生していても分かりません。

しかし、これによってカビアレルギーを発症すると、咳、鼻炎、結膜炎、湿疹、かゆみなど、さまざまな症状を引き起こします。

6.まとめ

出窓の雨漏りは、出窓だけに原因があるわけでなく、外壁や換気口など他の箇所が原因となっていることもあります。

また雨漏りをした場合には、室内への被害を最小限におさえるためにも、迅速な応急措置が必要です。

しかし、応急処置をしたまま放っておくと、建物が傷んだりカビが発生したりすることがあるため、その後にしっかりと修理することも大切です。

最悪の場合、出窓を取るという選択肢もありますが、まずは雨漏りをしないよう、早めにメンテナンスを行いましょう。

(株)ありがとうの家 代表 塩川昌志(二級建築士)