コラム

吹き抜けを収納部屋にリフォームする際の申請や費用

こんにちは。

地元豊橋、豊川で増改築リフォーム専門店を営んでいるありがとうの家です。

 

家族が増えたり、子どもが成長したりすると物が増え、収納スペースが足りなくなってくることがあります。

そんなとき、吹き抜けのある家であれば、その部分を収納部屋として有効活用したいと考える方も多いでしょう。

そこで今回は、吹き抜けを収納部屋にリフォームする場合に必要となる申請や、気になる費用や工期について解説します。

他にも、吹き抜けを収納部屋にするメリットやデメリットについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

1.吹き抜けを収納部屋にするには建築確認申請が必要

吹き抜けを壁で囲まれた通常の部屋にする場合、建物の床面積が増えるため増築となり、建築確認申請が必要になることがあります。

 1-1.建築確認申請とは

建築確認申請とは、建築基準法をはじめとした、法律に違反する建物などの建築を防ぐための審査です。

この審査では、建築前に建物の設計図を確認し、問題がなければ確認申請済証が交付されます。

建築確認申請は、建物などを新しく建築する場合だけでなく、増築する場合にも必要となることがあります。

なお、この建築確認申請が必要になる基準や、費用、期間は自治体によって異なります。

万が一申請をしていなかった場合には、罰金や工事の中断となる可能性もあるので、信頼できるリフォーム業者に依頼するようにしましょう。

 1-2.建築確認申請が必要となる条件

まず都市計画区域内で、防火地域や準防火地域であれば、建築確認申請が必要となります。

また、増築部分の面積が合計10m²を超える場合にも、建築確認申請を行わなければなりません。

なお、都市計画区域外の場合でも、木造の場合は増築後の建物が、次のいずれかの条件にあてはまる場合は申請が必要です。

この条件は、3階建て以上、延べ床面積500m²超、高さ13m超、軒高9m超のいずれかになります。

木造以外の場合は、2階建て以上、延床面積200m²超のいずれかにあてはまると申請が必要です。

その他、申請が必要となる条件は自治体によっても異なるので、自治体の窓口に問い合わせてみると良いでしょう。

リフォームする家が、都市計画区域内かどうかについても、自治体に問い合わせることで教えてもらえます。

2.ロフトであれば申請が不要な場合もある

吹き抜けを、壁で囲まれた通常の部屋にすると、建築確認申請を考慮する必要がありますが、ロフトであれば申請が不要な場合があります。

なお、収納するものやロフトの造りによっては、通常の部屋でなくロフトでも、十分収納部屋として使えます。

このロフトと判別されるための、建築基準法で定められた条件は、床から天井までの高さが1.4m以下、面積がその階の床面積の2分の1未満です。

他にも、自治体ごとに定められた細かな条件がありますが、それらすべてを満たしている場合には、床面積や階数にロフト部分は含まれません。

またこれによって、建築確認申請も不要となり、さらに固定資産税も増えないというメリットがあります。

3.吹き抜けを収納部屋にする費用と工期

吹き抜けを収納部屋にする場合、部屋として使用するわけではないため防音対策などは必要がなく、費用はそれほど高くなりません。

 3-1.通常の部屋にする場合

吹き抜けを4畳ほどの部屋にする場合、費用の相場は40万円〜60万円程度、工期は1ヶ月程度となります。

この工事では、梁の補強をして耐震性を高め、床や壁の造作、電気工事などを行います。

この費用は、収納部屋へのリフォームとして算出しているため、防音対策などは行わない場合の費用となります。

また、入り口にドアを取り付けたり、部屋に窓を取り付けたりすると、その分さらに費用はかかります。

 3-2.ロフトにする場合

吹き抜けをロフトにする場合の費用の相場は、30万円〜50万円程度で、工期は1週間〜3週間程度です。

ただし、居室として使用しないと仮定し、断熱材を使用せず、コンセントなども設置しない場合の費用となります。

また、費用や工期は業者によっても異なるので、予算や工事日数が限られている場合には、複数の業者に問い合わせてみると良いでしょう。

4.吹き抜けを収納部屋にするメリット・デメリット

吹き抜けを収納部屋にする場合には、メリットとデメリットの両方があるので、しっかりと把握しておきましょう。

 4-1.メリット

吹き抜けは部屋の高さがある分、部屋の空間が広くなり、エアコンが効きにくいといわれています。

しかし、その空間の一部を収納部屋にすることで、吹き抜け部分の空間が少なくなり、エアコンも効きやすくなります。

また、吹き抜け部分に部屋ができて収納スペースが増えるだけでなく、2階との境界ができるので、生活音が響きづらくなります。

 4-2.デメリット

吹き抜けを収納部屋にする場合、リフォームの方法によっては、固定資産税が増えてしまいます。

その他にも、吹き抜けならではの解放感がなくなったり、場合によっては下の階の部屋が暗くなったりしてしまうというデメリットもあります。

また、収納部屋を支えるために下の階に柱を建てる場合には、柱をよけて生活する必要があり、生活動線にも影響が出ることがあります。

5.まとめ

吹き抜けを収納部屋にリフォームする場合、どのような家にどのようなリフォームを行うかによって、建築確認申請が必要となることがあります。

また、リフォームの内容によって費用や工期は変わり、これらは依頼する業者によっても変わります。

さらに、吹き抜けをなくしたり範囲を少なくしたりすると、固定資産税が増えたり下の階が暗くなったりしてしまうことがあるので注意しましょう。

ただし、その分収納スペースを確保できたり、エアコンが効きやすくなったりするというメリットもあります。

なお、どのようなリフォームを行うかによって、建築確認申請の要否や、費用、工期、その他デメリットの程度も変わってきます。

より満足できるリフォームを実現するためにも、費用の安さや工事の早さだけでなく、信頼のできる業者へ依頼するようにしましょう。

(株)ありがとうの家 代表 塩川昌志(二級建築士)