コラム
実家を2世帯住宅へリフォームする相場やメリット・デメリット
こんにちは。
地元豊橋、豊川で増改築リフォーム専門店を営んでいるありがとうの家です。
アパートやマンションからの住み替えを検討するにあたって、実家を2世帯住宅へリフォームすることを考えている人も多いでしょう。
この場合に気になるのが、費用の相場やメリット・デメリットですが、今回はその点に加えて事前にしておくべきことについてもご紹介します。
実家を2世帯住宅へリフォームしようかと検討されている場合には、ぜひ参考にしてみてください。
1.実家を2世帯住宅へリフォームする際の相場
実家を2世帯住宅へリフォームする際の相場についてご紹介します。
ただ、どのグレードの設備を設置するのかや、工事の内容によっても費用は大きく変わりますので、おおよそ程度の参考にしてみてください。
1-1.間取り別の相場
2世帯住宅では大きく分けて、完全共有型、部分共有型、完全分離型の3つのパターンに分けられます。
完全共有型では、寝室をのぞいた水回りやリビングなど、すべての設備を共有します。
一方、部分共有型では玄関やリビングなど一部の設備を共有しますが、共有する部分は玄関やリビングに限らず人によってさまざまです。
そして完全分離型では、玄関や水回りなどを含めたすべての設備を共有せず、アパートの隣人同士のような間取りです。
これらそれぞれの間取りごとの相場を、30〜40坪程度のリフォームをする場合でみると、完全共有型では300万円〜、部分共有型では1000万円〜1500万円、完全分離型では1500万円〜となっています。
ただ、どのような工事を行うかによっても費用は変動します。
1-2.リフォーム箇所別の相場
2世帯住宅へのリフォーム費用について、リフォームをする箇所別に相場をみていくと、部屋の増築では15万円〜20万円、玄関のリフォームでは25万円〜40万円となります。
水回りに関しては、キッチンの増設で70万円〜130万円、ユニットバスの増設で120万円〜230万円、洗面台の増設で20万円〜50万円、トイレの増設で40万円〜100万円となります。
2.実家を2世帯住宅へリフォームするメリット
実家を2世帯住宅へリフォームする場合のメリットについてご紹介します。
2-1.少ない資金でもできる
新たに新築一戸建てを建築する場合と比べると、土地の取得費用がかからないため、その分費用をおさえることができます。
また2世帯住宅への建て替えと比べても、今ある設備を活かすことができるので、この場合にも費用をおさえることができます。
このように、資金や費用が限られている場合でも行いやすい、というメリットがあります。
2-2.子育てや家事の分担ができる
特に子育て世代では、子育て、家事、仕事の両立はとても大変です。
そんなとき2世帯住宅であれば、両親に子育てのアドバイスをもらえたり、家事の間に子供の相手をしてもらえたりするなどのメリットがあります。
さらに子供が大きくなってからも、さまざまな知識や話を聞けるので、子供にとっても良い環境となります。
またご両親にとっても、家に子供がいるだけで活気がうまれ、それが元気の源にもなるでしょう。
2-3.両親の様子を近くで見守れる
両親が年齢を重ねるにつれて、健康状態や様子が気になりますが、別居をしている場合には頻繁に様子を見に行くこともなかなかできません。
その点、2世帯住宅であれば常に様子が分かり、ささいな異変にも気づいてあげられます。
また後々介助が必要になった場合でも、頻繁に通う場合と比べると、かなり負担を軽減することができます。
3.実家を2世帯住宅へリフォームするデメリット
先ほどとは反対に、実家を2世帯住宅へリフォームする際のデメリットについてもみていきます。
3-1.間取りが限られる場合がある
もともとの構造上、大きく間取りを変更することが難しいこともあり、希望の間取りへ変更ができない場合もあります。
このため希望の間取りがある場合には、そのような間取りへの変更が可能かどうか、まずは確認しておくようにしましょう。
3-2.プライバシーの確保が難しい場合がある
2世帯住宅の中でも、特に共有部分がある場合には、どうしても完全なプライバシーの確保が難しくなります。
ただ、プライバシーを確保したい箇所を分離したり、お互いのプライバシー空間を通らずに生活できる間取りにしたりするなど、工夫次第でプライバシーを確保することができます。
3-3.建物の老朽化が進んでいる可能性がある
建物の築年数が古い場合や、それまでのメンテナンス状況によっては、建物の老朽化が進んでいる可能性があります。
雨漏りやシロアリ被害がないかなどを事前に調べ、建物の状態を把握した上で、リフォームを検討するようにしましょう。
4.実家を2世帯住宅へリフォームする際にしておくべきこと
実家を2世帯住宅へリフォームする場合に、実際の工事に関する点以外にも、しておくべきことを4つご紹介します。
4-1.近隣住民との人間関係について確認しておく
心身を休める自宅だからこそ、近隣住民との人間関係はとても重要です。
新たに土地を買う場合と比べて、すでに長年住み続けている実家だからこそ、近隣住民の様子を実家の両親に聞いておくと良いでしょう。
4-2.建物の状態を調査した上で見積もりをとる
見積もりの方法によっては、建物の状態を詳しく調査せずに、簡単な現地調査で見積もりを作成する場合があります。
この場合、いざ解体を始めてから見えない箇所の劣化が見つかり、見積もりよりも大幅に費用がかかってしまうこともあります。
このため見積もり時には、しっかりと建物の状態を調査した上で、金額を提示してもらうようにしましょう。
4-3.今後の生活スタイルを考えておく
例えば年月が経過して、両親に身の回りの介助が必要になった場合、自宅で介助をするのかしないのかによって、設置するお風呂やトイレの設備も異なります。
リフォームを考える際には、今の生活スタイルだけでなく、今後の生活スタイルについても考えておくようにしましょう。
4-4.贈与税対策を考えておく
実家をリフォームする場合、建物は両親の名義のまま、リフォーム費用は自分たちの負担で考えている人も多いでしょう。
しかしこの場合、費用が110万円を超えると両親への贈与とみなされ、贈与税が発生してしまいます。
こういった場合には、建物の名義を変更することで対策ができるので、このような点についても事前に考えておくようにしましょう。
5.まとめ
実家を2世帯住宅へリフォームする場合には、どのような間取りにするのかや、もとの建物の状態などによっても費用は大きく異なります。
また、建て替えに比べて費用がおさえられたり、家事や育児の負担を軽減したりできるなどのメリットがある反面、間取りが制限されたりプライバシーの確保がしづらかったりするデメリットもあります。
したがって、実家を2世帯住宅へリフォームする際には、こういった面もシュミレーションしておくようにしましょう。
さらに、近隣住民との関係性や今後の生活スタイルなど、長い目でみたリフォームを計画すると良いでしょう。
(株)ありがとうの家 代表 塩川昌志(二級建築士)