コラム

リノベーションでの失敗やトラブルを回避するには?

こんにちは。

地元豊橋、豊川で増改築リフォーム専門店を営んでいるありがとうの家です。

 

今回は、中古住宅を購入してリノベーションをするときの失敗を防ぐための注意点をお伝えします。

最近は「中古住宅を購入してリノベーションする」というスタイルが住宅選びの新しい形として定着しつつあります。一見リーズナブルな方法に見えるそのやり方が、実は新築住宅以上に気を付けないと失敗をしてしまう可能性があります。

ところで、リノベーションとはどのようなものかというと、

・住宅の価値を再生するための改修
・間取りの変更や機能性を高める改修
・資産価値の面で見ると、購入時よりも物件の価値を上げることができる
・新築に比べて費用を抑えられる(一般的には新築より20%~30%安いとされています)

というものとなります。次に中古住宅を購入してリノベーションした際の失敗例をお伝えしますので、ぜひ参考にして同じ轍を踏まないようにしてください。

 

◆リノベーションでの失敗例◆

計画の段階から意欲的にリノベーションに取り組んでいても、失敗してしまうケースが少なくありません。残念ながら成功しなかったリノベーションの事例をいくつかお伝えします。

□ 失敗例1
施工業者とのやり取りで連携が取れず、照明を余分につけすぎてしまった

リビングのリノベーションのときに、天井照明用のダウンライトの数を少なめに考えていたところ、業者は「それでは暗すぎる」の一点張りでした。薄暗い雰囲気のほうが自分は落ち着けるということをはっきりと伝えきれず、完成後にダウンライトをすべて点灯したところ、明るすぎるという状態に。結局数個のライトには電球を入れないまま使用することとなりました。もっと自分の意見をしっかり伝えておくべきだったと後悔されているそうです。

□ 失敗例2
憧れの対面式キッチン、でも思ったよりも狭くて無理があった

「新しい家のキッチンは対面式キッチンにしたい!」という強い願いがあったため、購入した中古住宅をリノベーションした際にキッチンを対面型に改修しました。ところが実際にキッチンを使ってみると、キッチンと背面の間の通路が狭くすれ違いにも一苦労ということに。

後になって、対面式キッチンの造作はある程度の広さがないと難しいということを知りました。リノベーションする際に広さの面で問題があったのならば、施工業者からひと言アドバイスがあればよかったのに・・と思ってももう遅いのです。こんなことなら、事前の打ち合わせをもっとしっかり行って、施工業者と意見交換をしながらこちらの要望をわかってもらってから工事を進めていれば、もっとうまくいっただろうにな、と思っているそうです。

□ 失敗例3
購入した中古住宅はリノベーション不可の物件だった

リノベーション前提で中古住宅を探していて、希望の立地に良い物件が見つかったので即決しました。しかし、壁などの解体が難しい「ツーバイフォー工法」建築の住宅であることが、購入後に判明。結果として、予定していた間取りの変更などが一切行えず、気になる水廻りの設備機器のみのリフォームしかできなかったそうです。

□ 失敗例4
二重のローンを組むことになり、支払いが大変に

中古住宅を購入したのち、別にリノベーション工事を行ったため、住宅ローンとあわせて金利が高いリフォームローンを支払うことになってしまいました。

あとになってから、業者によっては中古住宅購入とリノベーションに掛かる費用を一本化したローンを提案してくれる場合もあると知りましたが後の祭り。「下調べをもっとよくしておくべきだった」と後悔されているそうです。

 

◆後悔しないリノベーションをするための注意点◆

前の段落でお伝えした失敗例の1と2は、施工業者とのコミュニケーションが不足していたことが原因でリノベーションに失敗してしまったケースです。

そのため、リノベーションを成功させるためには業者との「意思疎通」が非常に重要だということがわかります。

「この部屋をこういう間取りにしたい」という要望だけではなく「どんな家具をどの辺りにいくつ置きたい」「家族は〇人で、部屋をどのように使うのか」など、出来るだけ細かな情報を相手に伝えながらリノベーションをすすめることが、失敗を防ぐポイントです。

また、リノベーションした住宅はこの先数十年暮らすのですから、できる限り流行に左右されない間取りやインテリアを選定するのが賢明といえるでしょう。

また中古住宅を購入してリノベーションする場合、事前に住宅に補修が必要な痛みや劣化している箇所がないかどうかも必ず確認しましょう。補修が必要な個所があったとしても、購入して住みたい!と思える物件であれば、補修に掛かる費用も予算に組み込みましょう。

リノベーションする前提で購入した中古住宅に雨漏りが見つかり、補修に予定外の費用が掛かったため予算オーバーとなり、予定していたリノベーションの規模を縮小することになってしまった、というケースも少なくありません。

〇施工業者にしっかり要望を伝え、それに対するアドバイスもきちんと受け、納得のいくリノベーション工事につなげる。
〇購入した中古住宅の状態を事前によく確認し、補修の必要があるか所はそのままにしない。また余裕の予算を組む。

この2つ注意点に気を付ければ、リノベーションをするにあたり失敗のリスクを回避できます。ぜひ参考にしてください。

 

◆おわりに◆

いかがでしたでしょうか。新築よりも楽に感じられる中古住宅のリノベーションですが、計画から実行まで気を付けるべき点がたくさんあります。

新築であっても中古住宅を購入してリノベーションをする場合でも、一生に一度の大きな買い物ですし、今後数十年住み続けることになる大切なお家です。計画から施工まで、慎重に検討を重ねることはとても重要ですね。

なおリノベーション目的で中古住宅の購入をお考えの場合は、物件を購入する前の段階からリノベーションの相談を並行で始めるのが良いでしょう。そしてプランを立てる段階から業者のアドバイスを受けながらリノベーションを進めることをおすすめします。

(株)ありがとうの家 代表 塩川昌志(二級建築士)