コラム

早わかり!IHコンロの基本と選び方

こんにちは。

地元豊橋、豊川で増改築リフォーム専門店を営んでいるありがとうの家です。

 

近年、IHコンロは広く普及してきており、実際に導入を検討されている方もいるでしょう。

そこで今回は、IHコンロの基本と導入する際の選び方について、詳しくご紹介します。

IHコンロについて基本から知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

1.IHコンロとは

IHコンロとは、ガスを使わず電気で加熱するコンロのことで、Induction Heating(誘導加熱)の略です。

誘導加熱とは、金属に電気が流れるよう誘導し、電気が金属を通るときの電気抵抗で発熱させる仕組みです。

この仕組みではIHコンロ自体は発熱せず、金属の鍋底に電気が流れるよう誘導し、その際の電機抵抗による摩擦熱で鍋を発熱させているのです。

 

2.IHコンロとガスコンロの光熱費の比較

IHコンロとガスコンロの光熱費を比較すると、IHコンロを1ヶ月使用した場合、電気の基本料金も含めた電気代は約1,600円です。

これと同じ分だけガスコンロを使用したとすると、この場合のガス代は約800円です。

なお、これは都市ガスの場合で、プロパンガスであれば約1,200円になります。

一見すると、ガスコンロの方が光熱費は安いですが、ガスコンロを使用すると室内に熱がこもります。

この場合に扇風機やエアコンを使用すると、その分電気代がかかることも考慮しておきましょう。

3.IHコンロのメリットとデメリット

IHコンロを使用する際のメリットとデメリットをご紹介します。

3-1.メリット

IHコンロのメリットは、コンロの全体がフラットになっていることによる、掃除のしやすさです。

うっかり吹きこぼしてしまっても楽に掃除ができ、また吹きこぼれを判断して瞬時に加熱を止めてくれる製品もあります。

さらにIHコンロでは炎が発生せず、さまざまな安全機能がついている製品もあるので、火事が起こりにくく安全性が高いといえます。

3-2.デメリット

IHコンロのデメリットは、ヒーターの種類によってはIH対応の調理器具でなければ使用できず、銅鍋なども使用できない点です。

また、調理器具をコンロから離すとスイッチが切れたり警告音が鳴ったりするため、フライパンを振る際に煩わしさを感じるかもしれません。

さらに炎は発生しないものの、使用後はコンロがとても熱くなるため注意が必要で、また停電時にはコンロが使えなくなるのもデメリットです。

特にガスコンロからIHコンロに切り換える場合には、一般的な100Vの家庭用電源ではなく200Vの電源が必要となるため、電気系統の見直しも必要となる場合があります。

4.IHコンロの選び方

IHコンロを選ぶときのポイントについて、項目ごとに細かくご紹介します。

4-1.設置タイプ

IHコンロの設置タイプには、キッチンに埋め込まれたビルトイン、コンロ台の上に置く据置型、他にもコンパクトな卓上型もあります。

ビルトインと据置型では200Vの電源が必要となりますが、卓上型では100Vの電源でも使用できます。

 

4-2.ヒーターの口数

IHコンロのヒーターの口数は1〜4口まで幅があり、一般的にビルトインは1〜4口、据置型は1〜3口、卓上型は1口です。

3口以上になると、次で紹介するヒーターの種類の組み合わせもさまざまになります。

4-3.ヒーターの種類

IHコンロのヒーターには、通常のIHクッキングヒーターの他に、オールメタル対応IHクッキングヒーター、ラジエントヒーターがあります。

オールメタル対応IHクッキングヒーターでは、アルミを使用した圧力鍋や銅鍋など、すべての金属製品を使用できます。

ただしアルミや銅を加熱する場合には、熱効率が低くなるため、通常よりも光熱費がかかります。

ラジエントヒーターでは、コンロ自体が熱くなるため、底が平らなものであれば金属に限らずガラス鍋や土鍋も使用できます。

また海苔を炙ることもできますが、通常のIHコンロに比べると火力が弱いのがデメリットです。

4-4.最大火力

IHコンロの最大火力には、3.2kw、3.0kw、2.5kw、2.0kw、1.5kw、1.25kwなどがあり、コンロの口ごとに異なります。

また3口同時に使用する場合の、同時に使用できる最大火力の制限は5.8kwタイプが主流ですが、他に4.8kwタイプもあります。

なお、ガスコンロの強火はIHコンロの2.0kw程度に相当するため、IHコンロの方がより大きな火力で使えることが分かります。

4-5.便利な機能

IHコンロでは、便利なオート調理機能のついた製品もあり、自動で火力を調節して調理したり保温したりしてくれます。

例えば、自動でお湯を沸かしたあとに保温してくれたり、グリルを使った自動調理では加熱時間を自動判定してくれたりします。

他にも、自動で火加減を調節してお米を炊いてくれたり、吹きこぼれを防止しながら麺を茹でたりしてくれる、便利で画期的な機能がついた製品もあります。

4-6.安全のための機能

IHコンロには、メーカーによってさまざまな安全機能が搭載されています。

例えば、コンロを消し忘れたり空焼き状態が続いたりした場合に、自動で加熱を停止してくれる機能があります。

他にも、スプーンなどの金属製の小物がIHコンロに置かれた場合にも、同様に加熱を停止してくれる製品もあります。

また、事前にロックしておくことで、すべてのボタンが操作できなくなるチャイルドロック機能などもあり、小さな子どもがいる家庭でも安心です。

5.まとめ

IHコンロは、実際に炎を発生させることなく調理ができ、安全機能も充実しているため、より安心して使用できるコンロです。

ただし、ヒーターの種類によっては使える調理器具に制限があり、光熱費もガスコンロよりは少し高めです。

また停電時にはコンロが使用できず、ガスコンロから切り替える場合には、電気系統の見直しが必要になる場合もあるので注意しましょう。

とはいえ、IHコンロはオート調理機能なども充実しているため、家事の負担を減らしてより安全に暮らすには最適だといえます。

(株)ありがとうの家 代表 塩川昌志(二級建築士)